家庭科 衣生活分野・住生活分野 e-Leaning

生活分野

伝統文化「ふろしきワーク」

対象小学生以上 


授業の趣旨

 ふろしきは、昔から使用されてきた環境に配慮した日本の和文化の一つである。しかし、現代ではプラスチック製の袋や紙製の袋などデザインや用途に応じた様々な種類のものが多くあるため、ふろしきの使用頻度が減少している。レジ袋など使い捨てられてしまう傾向にある。そのような現代の中で、特に現代の若者は環境について興味・関心が低く、自身の行動が社会への影響に繋がることを実感することができず、環境配慮への意識も低い。限りある資源を持続可能とするためには、この意識を変える必要がある。
 そこで、本授業では、和文化であるふろしきを用いた体験的学習を取りいれた授業実践を通じて児童の「持続可能な環境に配慮した衣生活行動を行う意識を高めるとともにふろしきをきっかけに日本の伝統文化への興味・関心も高めることを目指す。

授業の流れ

>>授業の概要

1時間目

【場所】 各クラスの教室
【授業目標】 ・ふろしきの歴史や活用方法を知る
       ・一つ結び、真結びを体験し、風呂敷活用へのイメージを膨らませる
       ・環境配慮行動と風呂敷活用が関連していることに気づく

時間 (分) 活動内容教師の支援
導入
(5分)

 


  • もったいないばあさんのお話がどのような話かクイズ形式で考える(全体)
    「現代でもったいないものはどのようなものがあるだろう」
  • もったいないばあさんを知らない児童がいた場合は絵などを見せる
  • 現代のもったいないからプラスチック袋の有料化の話へ導く

展開
(30分)

  • プラスチック袋が有料化した背景を考える 「昔はどのように物を運んでいたのか」
  • イメージが膨らみやすいように画像等を用意する
  • プラスチック袋の使用で環境に与える影響についても触れる(児童から出た場合は拾う)

めあて:ふろしきの歴史を知り、体験してみよう

  • ふろしきがいつの時代からあるのか、どのように使われていたかをクイズで学ぶ
    (15分)
  • ワークシート配布
  • ふろしきの歴史を「奈良時代」「室町時代」「明治時代」に分けてクイズ形式で考えられるようにする。一方的な授業にならないように現代の生活と比較しながら授業を進める
  • ふろしきの基本となる一つ結び、真結びを体験して感想をワークシートにかく
    (10分)
  • 現代にも役立てられるのではないかという児童の意識を引き出せるようにする
  • 複数回動画を流して、できている児童は反復で練習してもらい、教師はついていけなくなった児童や支援が必要な児童へサポートを行う

まとめ
(5分)

  • 今回実際に行った結び方を組み合わせで次回の授業で風呂敷を活用してみることへ見通しを立てる
  • 身近なもったいないを探す(HW)
  • 自分が着た着物の柄に込められた思いをあれば調べてもらう、または家で調べてみるように提案する。



2時間目

【場所】 家庭科室
【授業目標】 ・お題で出された使う用途に合わせてふろしきを実際に活用する
        (3組ではお題はなし。自分たちで使う用途を設定して行った)
       ・どのようなシチュエーションでふろしきを活用できそうか共有する
       ・環境配慮行動に意味を持って自発的におこなえるようにする

時間 (分) 活動内容 教師の支援
導入
(3分)

 


  • ふろしきはどのようなものであったかを前回の授業を思い出しながらまとめる
  • ふろしきは実生活のどのような場面で使用できるかをクラスで共有する
  • 前回使用した画像などを用いて、風呂敷がどのように使われていたかを確認する
  • このような活用ができるという物を参考画像を見せるまたは前で実践する
  • 展開
    (37分)

    めあて:ふろしきを活用してみよう
    • 昔はカバンの代わりだったことから →「エコバックの代わり」「サブバックの代わり」昔は包むものだったことから
      →「ラッピングの代わり」 となるようにお題となるものを提示し、班ごとにお題に沿って自由に見られるように設定したe-learning教材を使用し、活動を行う
      (7分)
    • 昔の使用用途から現代ではこのような使い方ができるのではないかという物をお題として提示し、そのお題に合うような風呂敷活用方法を実践できるようにする
    • e-learning教材が見られる環境を設定する
    • 何を入れるか、どのようなシチュエーションにするかは自由だったのでどのようにしたらいいかわからない班にはヒントカードとして入れるもの、シチュエーションの提示を行った
    • 早く終わってしまった班は他のお題に挑戦したり違う方法でお題に沿った実践を行ったりできるようにする
    • どのような場面で使うか、使う事での利点等も話せるようにする
    • お題を作り終わった班は、写真を撮り発表できるようにワークシートをまとめる
      (20分)
    • 班で作ったものをクラスで共有する
      (10分)

    まとめ
    (5分)

    • 実際に風呂敷を活用してみた感想をワークシートに書く
    • ふろしきを実生活でこれから使ってほしいというわけではなく、環境を考えた行動は昔から学ぶこともできるし、自分の生活を少し変えるだけでできるという事を伝える


    教材データのダウンロード

    授業の概要(PDFデータ)
    ワークシート(PDFデータ)
    ふろしきワークe-Learning

    教材作成

    横浜国立大学 薩本研究室